L.R.Baggs Session Acoustic DI
- Shungo Kaneto
- 2017年7月2日
- 読了時間: 5分
まとめ
ステージでレコーディングクオリティを実現。
レコーディングでも十分使える。
サチュレーションはちょっとイマイチ。
comp/eqノブが使える!
不具合もあり。
どんなコンセプトのDI?

L.R.BaggsはこれまでもPara Acoustic DI や Venue DIなどアコースティックギター専用のDIを発売してきました。
L.R.Baggs Session Acoustic DIはメーカーによると、レコーディングやミキシングでエンジニアがアコースティックギターに行う複雑な処理をDI上で簡単に行えるようにしよう!見たいな感じだったと思います。
後述しますが、僕は当初ライヴでの使用をメインに考えていましたが、プリプロやデモのアコギRECにバリバリ使用しています。
通すだけで、今までアコギに対して行っていた処理が2段3段減る感じです。
さすがに本番録りはマイク立てますが…。
導入したきっかけ

2017/07現在、発売から2年ほど経ったL.R.Baggs Session Acoustic DIもかなり普及、認知されてきたと思います。
僕は発売と同時くらいに購入しましたが2年経った今でもステージで、レコーディングで使用しています。
購入に至った経緯は、ライヴハウスのDIによって音が毎回違うことに嫌気が差してきたため。
会場によって導入されているDIの質って全然違うんですね。
ステージ上では、ギターの生の音をモニタリングすることはほぼなく、ウェッジモニターで返してもらうことが多いです。
なので、ギターのラインアウトの音はプレイに影響を及ぼすと僕は考えています。
とりあえず音を聴いてみよう
録音環境は
【I/O】 RME FIREFACE UCX
【Guitar】 Maton EBG808 Artist
【DAW】 Sonar Platinum
ギターのEQはフラット、マイクとピエゾのブレンドは5対5、RMEにプラグインする場合はINSTをオンにして、L.R.Baggs Session Acoustic DIはRMEからファンタムで電源供給しています。
DAW側では処理は一切行っていません。
かなり変わりますね。
ちなみに設定は写真の感じで、VUメーターは強く弾いても赤が付かない設定にしてあります。
筐体右側面にHPFを設定するスイッチがある(それぞれポイントが40,80,120,200)のですが、一番低い40hzに設定してあります。

アコギのライン収録ってどうしても1kHzあたりの中域とか、3kHzのピエゾっぽい高域が気になるのですが、割とこの辺が軽減されている気がします。
逆に10kHzあたりのプレゼンスが押し出されて倍音が増えた感じがしますね。
この倍音感は、特にバンドの中でのアコギにとって重要な帯域だと思います。
ドラムの金物とうまく絡むと良いグルーヴが生まれるんですよね。
僕の中でLR Bagggsのイメージは高域の押し出しが強いイメージがあったのですが、L.R.Baggs Session Acoustic DIに関してはその嫌らしさが無くなっているなと思いました。
ただ、サチュレーション感がちょっとわざとっぽいです…。
これはもしかしたらアコギとの相性もあるかも。
Matonはもともと出力が高く、ギターにミキサー直挿しでも全然いけるくらいラインの音にパワーがあるので、もしかしたらそこがトゥーマッチになったのかな。
RME直の音も悪くないですよね。
正直、録り比べてRMEやるな…と思いました。
comp/eqが良い

L.R.Baggs Session Acoustic DIはご存知のとおりコンプとEQがプリセットノブになっていて個別で操作できません。
このポイントが絶妙なんです。
バンド内でのアコギストロークってそのコード感よりもリズムが大切になります。
コード感はエレキギターやピアノが出してくれるので。
なのでアコギは、一定の音量で、アタックの張り出しが重要になってくるのですが、このcomp/eqノブを回せばそれが簡単に出来ちゃうんです。
大体12時を超えたくらいからプレーン弦のきらびやかさが増してくると思います。
これはRMEと聞き比べることでよく分かると思います。
ライヴだったらHPFを120とかにセットしてもいいかもしれませんね。
逆に曲のイントロアルペジオなど、バンドが静かな中でコード感を出したいときはcomp/eqを控えめにしてあげたほうが、ニュアンスやギターのふくよかさが出るかと思います。
問題もある
スイッチが不良です。
ミュートにしても若干音漏れするんです…。
一度修理に出しましたが、他の固体にも見られるようで仕様だと言われました。
PA機器に影響があるようなレベルではありませんが、プロユースとしては正直どうかと思います。
アダプタを使うとノイズが乗ります。
これも仕様だと言われましたが、ファンタムしか使わないのでまぁいっかって感じです。
プロユースとしてはどうかと思います。
僕のL.R.Baggs Session Acoustic DIは恐らくファーストロットだと思うので今は改善されてるかもしれません。
こんなひとに向いてるかも
バンドでアコギの存在感がほしいと思っている方。
L.R.Baggs Session Acoustic DIに通すだけでいい感じになります。
さらにcomp/eqで追い込めばかないい感じになるのではと。
プリプロやデモでサクッと録りたい方。
僕は特にこれで重宝しています。
処理が少なくなるし、音決めが早くなるので時短にもなるのでは。
こんな人には向いてないかも
そもそもラインの音に満足いってない方。
L.R.Baggs Session Acoustic DIは劇的に音を変えるわけではありません。
もっとエア感が欲しいとか、ピエゾ臭さを除きたいと思ってる方はFishmanとかZoomとかのほうがいいかもですね。
不具合もありますが、概ね僕は満足です。
ラインの音ってマイク録音には無い、音の芯があるので特に弾き語りやアコースティック編成の場合は意外と無くてはならない音なんですよね。
Focusrite ISA ONEのDIセクションも捨てがたいので、今度またアップしようかな。
Comentarios